女性宇宙飛行士の山崎直子さんが書かれた本。新聞広告で見かけて「宇宙飛行士になためにはどんな勉強をしたんだろう」とか「お子さんもいらっしゃるのに、子育てとどうやって両立したんだろう」という興味から読んでみました。

宇宙飛行士の勉強というと語学だけとっても大変そう。その上に専門的な知識も勉強しなくちゃいけないし、きっと子供の頃から「宇宙飛行士にオレはなる!」みたいな、プロスポーツ選手を目指すような子供がなるのかな、と勝手に思ってました。
でも山崎さんの場合、そんなに明確な目標はなかったようです。
それよりも、何かやりたいことがあったら自分で調べてどんどん挑戦する。そうした生活を子供の頃から身につけることで、自分の興味のある道に進んで行った結果、宇宙飛行士に繋がったようです。

この本は宇宙飛行士になるための具体的な勉強法が載っているわけではありません。とはいえ、山崎さんの育ちや考え方などいろいろと勉強になる点があり、私も取り入れたいと思ったことがあります。

たとえば「テレビと三種の神器」。
三種の神器とは、国語辞典、英語辞典、世界地図だそうで、テレビを見ていうるときにニュースはもちろん、クイズ番組などでも知らないことや疑問に思ったことをすぐに調べるためだそうです。今ならネットやスマホで調べるのでしょうが、やっぱり紙で調べるほうが、記憶に残るような気がします。漢字変換ばかり利用していると、漢字が書けなくなるように、検索してぱっと出てきた答えより、どこだろうと一生懸命探して見つけた答えのほうが身につくのではないでしょうか。

それからテレビで知ったという、タレントのコロッケさんの母親の言葉で「あおいくま」。
これは「焦るな、怒るな、いばるな、、くさるな、負けるな」の頭文字をとった言葉で、これを心がけることで人生だいたいのことは対応できる、ということです。

他にも「頑張ることは楽しい」「国際的なコミュニケーションではYES、NOをはっきり言う」という点なども興味深い内容です。

この本を読むまで、宇宙飛行士といえば雲の上の存在かと思っていたけれど、山崎さん自身はアニメや漫画に興味があったり、またプロフィールを拝見すると、年齢も近い上に誕生日も近いことを知り親近感がわきました。

宇宙開発についても同様です。これまで、何度も日本人宇宙飛行士が宇宙へ行くというニュースを見ていますが、その都度その場だけのニュースだと思っていました。ところが、実は宇宙開発という未来の目標に向かって、ずっと繋がっているんですね。

たとえば日本の実験棟「きぼう」が国際宇宙ステーションに打ち上げられるまで、開発から23年もかかっています。山崎さんはNASDAの職員になったとき、「きぼう」の開発を担当。この「きぼう」を打ち上げる2008年には土井さんが宇宙に行き、そのとき山崎さんは交信を担当。2012年、今度は山崎さんが宇宙へ、ここで行き開発に携わった「きぼう」の中で実験を行ってきました。

この本を読んで、もっと詳しく日本の宇宙開発の歴史を知りたくなったし、応援したくなりました。
山崎さん自身の幼少期や、ご自身の子育てについても書かれているので、育児面でも参考になる本だと思います。

宇宙飛行士になる勉強法/山崎直子

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