たくさんの人が写真撮影を楽しむようになった背景には、ケータイやスマートフォンに付いてくるカメラ機能をあげる以前に、フイルムレス=画像のデジタル化が大きいのではないと思います。いちいち現像しなくてもいいし、データ容量内なら何枚でも撮影できて、データを移してしまえばまた撮影ができる。本当に便利でずっと気軽に写真撮影を楽しめるようになりました。ですが、その裏で「本業消失の危機」にさらされた企業があります。いうまでもなくフィルムを扱っている企業です。

なかでも富士フイルムは「写ルンです」「フジカラープリント」など、とても身近にフイルム写真のサービスを提供していました。
そんな、フイルムを収益の柱としていた富士フイルムがどうやって事業転換を成功させたのか。

写真文化を守ることを企業の目標としつつも、化粧品や医療品などこれまど違った分野へも進出。
フイルム事業の衰退に加え、リーマンショック、円高など次々と起こる危機。
こうした危機をすべて乗り越えてきた経営者が語る心構えや行動指針など。
特に身にしみたのは「現実と向き合う」「やらなければならないことは必ず実行する」など、自分の生活に置き換えて考えてみてもためになることがたくさん書かれています。
まだまだ激しく厳しい変化が起こるであろうこの世の中で、変化のうねりに飲み込まれないためのヒントをこの本から得られることと思います。

『魂の経営』古森 重隆

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