iPadが生み出すマーケティング新戦略」(IT medhia)のまとめ

「Ad as a commercial」から「Contents as a commercial」へ
・Ad as a commercial
 企業が伝えたいことを一方的に発信する「広告」的手法
・Contents as a commercial
 消費者が興味をもつコンテンツによって消費者を「ファン」化する

機能にフォーカスした商品の訴求よりも、顧客の感性に訴えかけ、情緒的な差別化を図るコンテンツ型コミュニケーションが有効。

無印のiPadアプリの事例
無印はユーザー視点のコンテンツを通してブランド構築を行っている。
・MUJI CALENDAR
 Googleカレンダーと同期を図れるなど、ユーザーが自分の用途に合わせてカスタマイズできるiPadアプリ。
・MUJI TO GO
 「世界時計」「為替」「天気」「電卓」などの情報に加えて、移動やビジネスに役立つ無印良品の商品を紹介している。

消費者のメディア接触行動
消費者が接触するメディアは多様化しているため、消費者の接触メディアに合わせ、消費者の生活導線に自然と入り込む。

アサヒビールの事例
「ニッカウィスキー」のブランド認知向上のため、消費者のライフスタイルに訴えかけた。
・バー読 in My Room
 iPadを電子書籍端末として、ウイスキーに絡めたショートストーリーをJAZZとともに楽しめるマルチメディア型アプリ。

コンセプトは「本をつまみにウイスキーに酔う」。
目的は「ゆったりとした時間とともにウイスキーと読書を楽しむライフスタイル」という消費者視点の提案。

キャンペーンの施策
同社が運営する店舗「ニッカ・ブレンダーズバー」でウイスキーと一緒に本が出てくるメニューを展開。
丸善とのコラボレーションでウイスキーの小瓶と文庫本をセットにして販売。

消費者へのリーチを広げるために
これまでのキャンペーンでウイスキーと読書の親和性が高いことが分かった。→電子書籍の活用へ。
iPadの利用場所は自宅が95%、利用時間帯は就寝前が75%という結果から、iPadは1日の中で最もリラックスした時間帯に使われている。
ここにiPadの利用シーンとウイスキーの飲用シーンに共通点を見出し、今回のアプリ開発につながった。

実際のアプリ制作
端末の利用シーンを具体的に想定して、コンテンツをデザイン。
自宅ソファでの利用を想定し、ショートストーリーコンテンツに加えて、蒸溜所の写真などを大きな画像で寛ぎながら楽しめる「写真館」をイメージしたコンテンツも用意。

結果
「バー読 in My Room」は配信開始から1週間で1万ダウンロードを突破。
現在、iPadおよびiPhoneの総ダウンロード数は約2万件に上っている。
twitterやブログなど各種ソーシャルメディアでの反応も「ウイスキーが飲みたくなった」「家飲みがしたい」など、ユーザーの態度変容を示唆するポジティブなコメントも見られた。

利用シーンから導いたユーザー視点のコンテンツ設計こそ、今回のアプリの成功要因。

タブレット端末は今後も有効なコンタクトポイントになる。
今後、顧客のライフスタイルに寄り添ったブランディングやマーケティングが求められる。
デジタル時代における企業ブランディングやマーケティングは、次々と登場する新たなコンタクトポイントをうまく活用することが求められる。

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